本作が視聴者の記憶に深く刻まれているのは、単に「大人数の家族だから賑やか」という表面的な面白さだけではない。受験、初恋、反抗期、就職、そして家族の病気や旅立ち——生きていれば誰もがぶつかる人生の節目が、丁寧に描かれていたからだ。
食卓をみんなで囲む賑やかな朝食シーンや、夕暮れ時の居間で交わされる何気ない会話。そこには、現代人が見失いがちな「人と人との泥臭くも愛おしい繋がり」が凝縮されている。どれだけ社会が変わろうとも、人間が根底で求めている温もりは変わらない。それこそが、何年経とうと褪せない名作の底力である。