赤虫への恐怖や過剰反応の背景には、ネット上でまことしやかに拡散されているいくつかの「決定的な誤解」が存在します。正しい知識を持つことで、無駄な出費や誤った対処による二次被害を防ぐことができます。
最も危険な盲点は、「見つけたら掃除機で吸い取ればよい」という短絡的な処理です。室内に侵入した赤虫を家庭用掃除機で吸い込むと、高速の吸引気流とダストボックス内の摩擦によって、微小な虫体が内部で粉砕・圧壊します。その結果、真っ赤な体液がノズルやホース、集塵フィルターの内部にこびりついて異臭や目詰まりの原因になるだけでなく、微小に砕けたダニの破片が排気とともに室内に噴き出され、家族がアレルゲンを吸い込むリスクを自ら作り出すことになります。
もうひとつの誤解は、「赤虫の発生=建物が不衛生である証拠」という思い込みです。ゴキブリやハエのように生ゴミや腐敗物を好むわけではないため、ベランダをどれほど清潔に清掃していても、コンクリート構造物と春先の花粉がある限り飛来・発生を防ぎきることは困難です。「自分の掃除が行き届いていないからだ」と過度に自身を責めたり、新築マンションの施工不良を疑って管理会社と無用なトラブルに発展する事例も見られますが、これは自然界の季節現象として客観的に捉える必要があります。