クリアファイル印刷で最も頻発するトラブルが「絵柄の意図しない透過」です。この現象が起きる根本的な理由は、印刷に使われるシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの通常インク(プロセスカラー)が半透明の性質を持っているためです。白い紙に印刷する場合は紙自体の白さが光を反射して発色しますが、透明なPPシートにそのまま印刷すると背後の光が透過し、ステンドグラスのように色が薄く透けてしまいます。
このトラブルを防ぎ、イラストをくっきりと発色させるために不可欠なのがクリアファイル印刷白版(ホワイト版)です。白版とは、カラーインクの真下に敷く「不透明な白インク」の印刷指定データを指します。白版を敷いた部分は下地が白く隠蔽されるため、イラスト本来の色が鮮やかに再現されます。
多くのクリアファイル印刷失敗理由を調査すると、白版レイヤーを作成せずにカラー原稿のみを入稿して全面が透けてしまったケースや、白版の輪郭がカラーイラストとずれて「白いフチ」がはみ出てしまうトラブルが全体の約7割を占めています。透明感を残したい背景部分は白版を抜く、キャラクターの肌や服は白版でしっかり隠蔽するなど、透過と不透過のメリハリを意識したデータ設計が完成度を大きく左右します。