じっくり炒めた玉ねぎの甘みと香ばしさは、糖とアミノ酸が加熱によって結びつくメイラード反応によって生まれます。通常、生の玉ねぎには約90%の水分が含まれており、この水分が蒸発して細胞壁が壊れるまでに30〜40分という膨大な時間を要します。ここを大幅にショートカットするのが電子レンジ玉ねぎ加熱法です。
方法はシンプルです。薄切りにした玉ねぎを耐熱皿に広げ、ラップをかけずに電子レンジ(600W)で約5〜6分加熱します。あらかじめ水分を飛ばし、細胞組織を熱で破壊しておくことで、フライパンに移した瞬間に糖化プロセスへと移行できる状態を整えます。さらに急ぐ場合は、一度冷凍した玉ねぎを解凍せずにそのままレンジ加熱すると、氷の結晶が細胞壁を破壊するため、さらに短時間で火が通ります。
フライパンでの失敗しない炒め方のコツは、「絶えずかき混ぜ続けないこと」です。中強火に熱したフライパンに少量の油と塩ひとつまみ(脱水を促す効果)を加えて玉ねぎを広げたら、30秒ほど放置してあえて底面に薄い焼き色をつけます。その後、底に張り付いた旨味の膜(シュック)を木べらでこそげ落とすように混ぜ合わせる作業を繰り返します。途中で水分が足りなくなったら、水または酒を大さじ1ずつ加える「差し水」を行うことで、焦げ付きを防ぎながら均一で濃厚な飴色へ導くことができます。