原作者の尾田栄一郎は、『週刊少年ジャンプ』(集英社)での連載を通じて、単なる「勧善懲悪」にとどまらない複雑な人間模様を描き続けてきた。従来の少年漫画における警察や軍隊組織は、主人公たちの敵として単一的な正義を押し付ける存在になりがちだった。
だが、スモーカーという存在はそのステレオタイプを鮮やかに打ち破った。海軍本部という巨大組織の規範に従いながらも、自らの内なる倫理観や正義を最優先する。弱き者を慈しみ、理不尽な権力には背を向ける彼の姿勢は、作品全体に通底する「真の正義とは何か」という重厚なテーマを提示するきっかけとなったのである。