ニューヨーク市場の取引時間帯、突如としてローソク足が真っ赤に染まる瞬間がある。数分間で100ピップスを超える急降下。その直後、ネット上のスレッドは1秒間に数文字という凄まじい速度で更新され始める。
「強制ロスカットされた」「ここが底だ、全力買い!」「まだ下がるぞ」——飛び交う言葉は感情の暴走そのものだ。しかし、ジャーナリスティックな視点からこの現象を観察すると、そこには二つの要素が混在していることがわかる。恐怖に駆られた売り注文の連鎖という『客観的ノイズ』と、個人投資家のポジションがどちらに偏っているかを示す『センチメントの生データ』だ。ノイズを鵜呑みにすれば自滅するが、群集心理の偏りとして冷却観察できる者にとっては、貴重な市場データとなり得る。