一般的に「赤カビ」という俗称で呼ばれることが多いこのピンク色の物質だが、生物学的な分類ではカビとはまったく異なる。その正体は「ロドトルラ(Rhodotorula)」と呼ばれる単細胞の酵母菌だ。
浴室のコーナーや排水口付近、ゴムパッキンの表面に突如として現れるあのピンク色は、菌体が自ら生成するカロテノイド色素によるもの。見た目が鮮やかであるため目立ちやすいが、菌糸を伸ばして建材の奥深くまで根を張る黒カビとは異なり、表面にくっついているだけに過ぎない。だからこそ、シャワーの水やスポンジで軽く擦るだけで簡単に消えたように見えるのだ。