日本野球機構の歴史において、王貞治が打ち立てた通算868本塁打という記録は、今なお他の追随を許さない孤高の頂としてそびえ立っている。ライバル投手が徹底的に外角を攻め、敬遠策を講じても、そのバットを止めることはできなかった。
年間50本塁打以上を記録すること実に3シーズン。ホームラン王のタイトル獲得は15回。プロ野球界に刻まれたこれらの数字は、一本足打法が極限の安定感と再現性を兼ね備えていた証拠にほかならない。相手バッテリーの配球を完璧に読み切り、甘い球を一球で仕留める集中力は、まさに精密機械の域に達していた。