ビーズステッチで文字を描く際、まず把握しておくべきは「ステッチ技法によってビーズの並び方が根本から異なる」という点です。同じアルファベットの「A」を編む場合でも、選ぶ技法によって仕上がりのシルエットや解像度が大きく変わります。
ステッチの構造は大きく分けて2つの系統が存在します。
ひとつは、ビーズが半分ずつズレてレンガのように互い違いに並ぶ「ペヨーテステッチ」や「シェイプドステッチ(ブリックステッチ)」です。斜めのラインや丸みを帯びた形状を滑らかに表現しやすく、文字単体の輪郭を切り取るチャーム制作や、しなやかな帯状のブレスレットに適しています。ペヨーテステッチのアルファベット図案を用いる際は、縦横のラインが半目ズレる特性を計算に入れたドット配置が求められます。
もうひとつは、方眼紙のように縦横がきれいに直交する「スクエアステッチ」や「ビーズ織り」です。規則正しい格子状にビーズが並ぶため、一般的なクロスステッチやドット絵のフォントをそのまま流用できるのが最大の強みです。スクエアステッチのアルファベット表を参照しながら編み進めることで、直線がピシッと決まったシャープなタイポグラフィを再現できます。すっきりとしたビーズ織りのネームストラップ図案を作りたい場合も、この格子状配列が基本となります。