本作のクオリティを決定づけたのは、演歌界の重鎮作家陣による緻密な世界観の構築です。作詞を手がけた久仁京介は、南部地方の厳しい自然環境と短い夏に命を燃やす蝉の姿を重ね合わせ、人生の試練に耐え抜く男の覚悟を鮮やかに描き出しました。
一方、作曲の四方章人は、哀愁を帯びながらも決して湿っぽくならず、サビに向かって一気に視界が開けるような力強い旋律を紡ぎ出しました。久仁京介の抒情詩のような言葉と、四方章人の躍動感あふれるメロディが、福田こうへいの民謡独特の節回しやコブシと完璧に融合したことで、奇跡的な完成度を誇る名曲が誕生しました。