奈良・吉野の和菓子スイーツを語る上で欠かせない存在となった佐久良。多くの旅行者を惹きつけてやまない最大の理由は、「混じり気のない本物の吉野本葛」を出来立ての状態で味わえる贅沢さにあります。市販の葛菓子の多くにはジャガイモやサツマイモなどのデンプンがブレンドされていますが、佐久良で使用されるのは伝統的な「吉野晒し」の製法で精製された希少な本葛粉のみです。
葛は熱を加えて練り上げた瞬間から老化(白濁と硬化)が始まります。佐久良では作り置きを一切せず、注文が入るたびに職人が手鍋で丹念に練り上げます。出来立ての葛きりは、まるで澄み切った湧水のように美しく透き通り、箸で持ち上げると驚くほどのしなやかさと弾力を誇ります。
時間の経過とともに失われてしまう繊細な食感と喉越しを最大限に堪能してもらうため、店側が推奨する猶予はわずか10分。この妥協のない職人気質こそが、全国の葛切り名店ひしめく吉野山において、佐久良が圧倒的な支持を集め続ける決定的な要因です。