結論から申し上げますと、2026年の国内二輪市場において10万円以下で購入できる国産原付の新車は1台たりとも存在しません。特売や決算セール、長期在庫の処分といった例外を考慮しても、車両本体価格だけで10万円を切るケースすら皆無です。
現在、国内市場における原付新車相場は、車両本体価格だけでも18万円〜25万円程度が標準となっています。手頃な移動手段の代表格であったスズキのベーシックモデル「レッツ」ですら、最終型のスズキレッツ新車価格はメーカー希望小売価格で約17万円台に達していました。さらにホンダのタクトやジョルノといったホンダ原付新車価格は18万〜21万円前後、ホンダからOEM供給を受けていたヤマハ原付新車(ジョグ、ビーノ)も同等の20万円台前半が定価となっていました。
バイクを購入する際には、車両本体価格に加えて各種税金や手続き費用を合わせた「乗り出し価格」が発生します。東京都内の老舗バイクショップ店主は、店頭での相談について次のように証言します。
「春先の新生活シーズンになると、『総額10万円で新車はありませんか』と来店される若いお客様や親御さんが今でもいらっしゃいます。しかし、うちの仕入れ値ですら10万円を遥かに超えています。10万円という数字は、20年以上前の感覚のまま止まっていると言わざるを得ません」(都内バイク販売店店長・取材談)