「なぜ顧客が料金を払わないフリーダイヤルを使って、企業側からわざわざ電話をかけてくるのか?」という疑問を抱く方は少なくありません。0120着信の理由を解き明かすと、事業者がこの番号を選択する構造的な動機が見えてきます。
企業が発信元に0120番号を指定する最大の理由は、「受電率の向上」にあります。携帯電話発の080や090、あるいは地域市外局番からの見知らぬ着信は警戒されやすい一方、かつてカスタマーサポートの象徴であったフリーダイヤルは、心理的な警戒バリアを下げやすいというマーケティングデータが存在します。現在、0120から着信が入るパターンは主に以下の4系統に分類されます。
第1に、通信回線の乗り換え、電力・ガス自由化に伴うプラン変更、不動産投資や生命保険の勧誘といった純粋な「営業・セールス」です。第2に、選挙期間中や内閣支持率調査などで用いられる機械的な「世論調査」。第3に、配送業者の再配達確認やネット通販の注文内容確認といった「事務的確認」です。
そして第4の分類こそが、絶対に軽視できないクレジットカード会社の緊急連絡や金融機関からの不正検知アラートです。近年はキャッシュレス決済の普及に伴い、クレジットカードの第三者不正利用検知システムが24時間365日稼働しています。AIが普段と異なる決済パターン(海外IPからの急激な高額決済や深夜の連続決済など)を感知した場合、カード会社は被害拡大を防ぐため、登録電話番号へ即座に緊急自動発信またはオペレーター発信を行います。この際、顧客が折り返し発信しやすいよう通話料無料の0120番号を指定するオペレーションが業界標準となっているのです。