社名である「敢國神社」の正式な読み方は「あえくにじんじゃ」です。初見では難読に感じられますが、かつてこの地を治めていた古代豪族「阿拝氏(あえし)」に由来しており、古くは『阿閉(あえ)』とも表記されました。
敢國神社の歴史と由緒は極めて古く、社伝によると用明天皇2年(586年)の創建と伝わります。主祭神として祀られているのは、第8代孝元天皇の皇子であり、北陸地方を平定した四道将軍の一人として知られる大彦命(おおひこのみこと)です。大彦命は阿部氏や膳氏をはじめとする多くの氏族の祖神とされ、伊賀開拓の祖として深く崇敬されてきました。
さらに配祀として、医薬・温泉・国造りの神である少彦名命(すくなひこなのみこと)、鉱山・金属の守護神である金山比咩命(かなやまひめのみこと)の二柱が鎮座しています。この三柱の神々が揃うことで、農業・産業の発展から日々の身体健全に至るまで、極めて広大無辺な神徳を授ける神社として、伊賀の総鎮守の地位を不動のものにしてきました。