荒川彩湖公園の駐車場は、土日祝日の天気の良い日になると、午前9時30分から10時00分頃には満車のサインが掲げられます。一度満車になると、河川敷の進入路一本道に入庫待ちの長い車列ができ、周辺道路を含めて身動きが取れなくなります。なぜこれほどまでに混雑が激化するのでしょうか。現場の利用実態を掘り下げると、3つの構造的要因が浮かび上がります。
第1の要因は、「スポーツ愛好家のトランポ(車載)拠点化」です。荒川彩湖公園の湖周道路は1周約4.7kmの平坦な舗装路で、荒川サイクリングロードとも直結しています。そのため、ロードバイクやTTバイクを車に積んでやってくるサイクリスト、インラインスケート愛好家、長距離ランナーが、開門時間である8時30分前から待機列を作ります。彼らは数時間〜半日単位でみっちりトレーニングを行うため、一度駐車すると昼過ぎまで車が動きません。
第2の要因は、通称「カマキリ公園」と呼ばれる大型複合遊具エリアを訪れるファミリー層の集中です。巨大なカマキリやバッタのオブジェ、大型すべり台が設置された遊具広場は、未就学児から小学生のいる家庭にとって絶好の無料レジャースポットです。テントやレジャーシート、アウトドアワゴンを持参したファミリーが午前9時を過ぎると一気に押し寄せ、残りの駐車枠を一気に埋め尽くします。
第3の要因は、「滞在時間の極端な長さ」です。都心の商業施設や一般的な時間貸し駐車場であれば、用事が終われば出庫して回転率が上がります。しかし、荒川彩湖公園は「完全無料」かつ「広大な芝生と水辺」という性質上、一度拠点(サンシェード等)を構えると夕方まで居座る利用者が大半を占めます。この「出庫の回転率の低さ」こそが、午前中に満車になったあと夕方まで空きが出ない決定的な理由です。