ラブラドールレトリバーを飼ってはいけない?温厚な偶像と破壊の現実

ラブラドールレトリバーを飼ってはいけない?温厚な偶像と破壊の現実

ラブラドールレトリバーを飼ってはいけない?温厚な偶像と破壊の現実について押さえておきたい ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

「ラブラドールレトリバーを飼ってはいけない」と警鐘が鳴らされる最大の要因は、世間に定着したパブリックイメージと犬種本来の生物学的本能との間に生じる、致命的なミスマッチにあります。多くの初心者は「盲導犬=生まれつきおとなしくて聞き分けが良い犬」という先入観を抱きがちですが、訓練事業団の公式統計や現場関係者の証言を紐解くと、盲導犬になれる素質を持つ個体は候補犬全体のわずか3割から4割程度に過ぎません。残りの個体は、旺盛すぎる好奇心や活動性の高さゆえに家庭犬や別の道へ進んでいるのが実情です。

犬種のルーツを辿ると、ラブラドールレトリバーの原産国はイギリスであり、その祖先はカナダ・ニューファンドランド島の冷たい海で漁師が落とした網や魚を回収していた「セント・ジョンズ・ウォーター・ドッグ」に行き着きます。波しぶきをものともせず、極寒の水中に飛び込んで重労働をこなすために品種改良された屈強な使役犬であり、DNAには「獲物を咥えて運ぶ執念」「無尽蔵のスタミナ」「人間と共に作業したいという強烈な作業欲求」が深く刻み込まれています。

この歴史的背景を理解せずに、「温和な大型ぬいぐるみ」を期待してリビングへ迎え入れると、家庭はたちまちパニックに陥ります。人間の都合で運動や知的刺激を制限された使役犬は、有り余るエネルギーのやり場を失い、室内を荒らし回る問題犬へと変貌を遂げてしまうのです。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。