フロントラットプルダウンの効果を倍増させる上で、見逃せないのがアタッチメント(握り手パーツ)の選定です。ジムに設置されている代表的なアタッチメントにはそれぞれ明確な力学的特性があり、狙うべき部位によって使い分けることが求められます。
近年のトレーニングシーンを大きく変えたのが、手のひら全体で包み込むように把持できるMAG(Maximum Advantage Grip)グリップやエルゴノミクスグリップです。手首の角度が自然なニュートラル(中間位)に固定される設計となっているため、握力をほとんど使わずに背中を収縮させることができます。握力低下によってセットが中断してしまう初心者や中級者にとって、まさに特効薬と呼べるギアです。
一方、王道であるストレートバー・ワイドバーは、グリップ幅を自由に微調整できる汎用性が強みです。肩幅よりやや広いミディアムワイドで握れば大円筋から広背筋上部にかけての広がりを作りやすく、パラレルグリップ(手のひらが向かい合う形状)を採用すれば、腕の関与を抑えつつ広背筋下部まで深々とストレッチをかけることができます。また、握力の浪費を完全に防ぐためには、トレーニング序盤からパワーグリップやリフティングストラップを躊躇なく導入することが、背中への刺激を最大化する近道です。