濃度計算をスムーズに解き進めるための第一歩は、用語の定義を完全に区別することです。多くのケアレスミスは、問題文の数値を誤った場所に代入してしまうことから生じます。
液体に物質が均一に溶け込んでいる液体全体を「溶液(ようえき)」、そこに溶けている物質そのものを「溶質(ようしつ)」、溶質を溶かしている液体(主に水)を「溶媒(ようばい)」と呼びます。最も馴染み深い食塩水で整理すると、以下の関係が成り立ちます。
- 溶質(溶けているもの):食塩(塩化ナトリウム)
- 溶媒(溶かしている液体):水
- 溶液(混ざり合った全体):食塩水(食塩 + 水)
ここで絶対に忘れてはならない原則は、「溶液の質量 = 溶質の質量 + 溶媒の質量」という質量保存の関係です。この関係を踏まえた上で、質量パーセント濃度の基本公式を確認します。
【質量パーセント濃度の基本公式】
質量パーセント濃度(%)=(溶質の質量 [g] ÷ 溶液の質量 [g])× 100
※分母を分解すると、{溶質の質量 [g] ÷(溶質の質量 [g] + 溶媒の質量 [g])}× 100 となります。
中学理科の授業では、小学校の「速さ・時間・道のり(はじき)」に似た「てんとう虫(み・は・じ型の円形図)」を使って覚える手法が広く用いられています。円を上下に二分割し、上部に「溶質の質量(g)」、下部の左右に「溶液の質量(g)」と「濃度(% ÷ 100)」を配置するレイアウトです。求めたい項目を手で隠せば、掛け算か割り算かが瞬時に判別できるため、初期の立式に不安がある学習者にとっては強力な補助線となります。