用途に合わせた正しい選び方の第一歩は、「荷重がかかる用途」か「日常の小物吊り下げ」かを明確に区別することだ。登山、クライミング、ハンモック設置、高所作業など、人体や重量物を支える場面では、必ずUIAAまたはCEマークが刻印された安全基準適合品を選ばなければならない。
注意すべきは、破断事故を引き起こす「危険な使い方」だ。最大の落とし穴は、ゲートが開いた状態での荷重や、短軸方向(横方向)に強い引っ張り力が加わる「横荷重」状態である。縦方向では20キロニュートン(約2トン)以上の強度を誇るギアであっても、横荷重がかかると強度は1/3以下に急降下する。また、100円ショップなどで販売されているファッション用フックに登攀用のロープを掛けたり、自重を預けたりする行為は滑落事故に直結するため極めて危険だ。
正しく理解すれば、日常での活用法は無限に広がる。重量のある通勤バッグのハンガーとしてカフェのテーブル端に固定したり、鍵束やボトルをバックパックの外側にワンタッチで集約したり、キャンプ時のランタンフックとして幕内に吊るすなど、圧倒的な利便性を発揮する。