ネット上で「山崎パン工場はやばい」と検索される背景には、単なるアルバイトの愚痴にとどまらない、人命に関わる深刻な事故報道が存在します。なかでも世間に強い衝撃を与えたのが、2024年2月に千葉工場(千葉市美浜区)で発生した死亡事故でした。
報道各社の取材や警察の発表によると、製餡(あんこ)工程を担当していたパート従業員の女性(当時61歳)が、菓子パンの原料を混ぜる機械の稼働中に巻き込まれ、搬送先の病院で死亡が確認されました。稼働中の大型撹拌機に何らかの理由で近づいた、あるいは作業中に接触したとみられ、製造現場における安全装置の作動状況や作業マニュアルの遵守体制が大きく問われる事態となりました。
さらに調査を進めると、過去にも複数の拠点でコンベヤーや昇降機に挟まれる重軽傷事故が報告されており、一部の工場に対しては労働基準監督署から労働安全衛生法に基づく是正指導が入っていた事実が浮き彫りになっています。日本を代表する食品メーカーでありながら、なぜこのような悲惨な事故が起きてしまったのか。取材関係者からは「24時間連続稼働による生産プレッシャー」や「機械トラブル発生時にラインを止めにくい無言の同調圧力」を指摘する声が上がりました。
同社は事故後、外部の安全専門家を交えた特別監査を実施し、機械の清掃・点検時における「完全停止(インターロック機能)」の再点検、緊急停止スイッチの増設などの再発防止策を公表しました。しかし、一度失われた生命の重さと報道のインパクトは大きく、現在も「山崎製パンの工場は危険なのではないか」という疑念を抱かせる決定的な要因となっています。