かつては若者の悪ふざけと片付けられていたミーム文化だが、今や大手企業のマーケティング部門も熱い視線を注ぐ。緻密に計算されたキャッチコピーや、説得力に満ちた商品スペックの訴求がスルーされがちな時代において、あえて突拍子のない「脱力感」を前面に押し出すプロモーションが相次いで大ヒットを記録しているからだ。
特にZ世代からα世代にかけての若年層は、過度に整えられた「正解」に対して強い警戒心を持つとされる。完璧な商品説明よりも、一見すると支離滅裂なコミュニケーションの方が「裏がない」「本音である」と感じられる逆転現象が起きている。知性を誇示するのではなく、愚かさを開示することで生まれる親近感。それこそが、現在のエンゲージメントを高める最重要ファクターとなっている。