季語の知識が最も実用的に試されるのが、手紙や挨拶状、改まったビジネスメールにおける「時候の挨拶」です。月ごとの適切な表現と、相手に応じた具体的な文例を整理しました。
5月(初夏)の時候の挨拶と例文
新緑が美しく、過ごしやすい気候を寿ぐ言葉を選びます。
- 漢語調(フォーマル):「新緑の候」「薫風の候」「立夏の候」「初夏の候」
- 和語調(カジュアル):「若葉が目に眩しい季節となりました」「風薫る爽やかな初夏を迎え」
【5月のビジネス例文】
「拝啓 薫風の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。(中略)立夏を過ぎ、日差しも次第に強まってまいりました。皆様の健康を心よりお祈り申し上げます。 敬具」
6月(仲夏)の時候の挨拶と例文
梅雨時の鬱陶しさを払うような気遣いや、紫陽花の風情を取り入れます。
- 漢語調(フォーマル):「入梅の候」「梅雨の候」「芒種の候」「向暑の候」
- 和語調(カジュアル):「あじさいの花が雨に映える季節となりました」「長雨が続く毎日ですが」
【6月のビジネス例文】
「拝啓 向暑の候、貴社におかれましては一段とご隆盛のこととお慶び申し上げます。(中略)梅雨冷えの肌寒い日もございますので、どうかご自愛専一にお過ごしください。 敬具」
7月(晩夏)の時候の挨拶と例文
本格的な夏の到来と厳しい暑さを踏まえ、相手の健康を気遣う言葉を主軸にします。
- 漢語調(フォーマル):「盛夏の候」「猛暑の候」「大暑の候」「酷暑の候」
- 和語調(カジュアル):「まぶしい日差しが照りつける季節となりました」「入道雲が湧き立つ空を仰ぐこの頃」
【7月のビジネス例文】
「拝啓 盛夏の候、貴社におかれましては益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。(中略)厳しい猛暑が続いております折、皆様くれぐれも体調を崩されませぬようご自愛ください。 敬具」