店舗の統廃合を理解する上で欠かせないのが、大阪王将を展開する株式会社イートアンドホールディングスの経営戦略です。同社が公表している決算説明資料や事業方針報告書を精査すると、明確な構造改革の道筋が見えてきます。
イートアンドHDは近年、不採算店舗のスクラップ&ビルドを徹底し、投資効率の高い郊外型ロードサイド店や、冷凍食品事業とのシナジーを高めるフラッグシップ拠点へのリソース集中を進めています。特に坪単価が高く厨房スペースが限られる都心部の小型ビルイン店舗においては、原材料費の高騰やアルバイト人件費の上昇(2025〜2026年の最低賃金改定を含む)がダイレクトに収益を圧迫する構造となっていました。
同業の「餃子の王将」(王将フードサービス)が直営店中心で堅実な大型店戦略を採るのに対し、大阪王将はフランチャイズ(FC)比率が高く、オーナー企業の投資判断や賃貸契約満了のタイミングで柔軟に撤退・業態転換が行われる傾向があります。門前仲町という一等地における営業終了の経緯も、突発的な事故や不祥事ではなく、純粋な資本効率と採算性を重視したポートフォリオ最適化の一環であったと位置づけられます。