心と体の相関関係を研究する精神神経免疫学の分野でも、寿命と心理状態の密接なリンクが次々と明らかになっています。心理学のパーソナリティ分析(ビッグファイブ理論)において、長生きする人の性格に際立って多く見られるのが「誠実性(自己規律を守る力)」と「開放性(新しい経験への好奇心)」の高さ、そして「神経症傾向(不安やイライラ)」の低さです。
誠実性が高い人は服薬管理や生活リズムの調整を無理なく継続でき、開放性が高い人は何歳になっても趣味や他者との対話を楽しみます。ストレスを抱え込まず、起きた出来事を柔軟に受け流す心理的レジリエンス(回復力)の強さが、副交感神経を有位に保ち、過剰なストレスホルモンによる血管や免疫へのダメージを未然に遮断します。
この心理状態は日常会話の言葉選びにも明確に表れます。長寿者に共通する長生きする人の口癖の代表格が、「ありがとう」「なんとかなる」「おかげさまで」といった感謝と肯定のフレーズです。前向きな言葉を声に出す行為そのものが脳内のオキシトシンやセロトニンの分泌を促し、血圧を安定させ、結果として心身の若々しさを強固に後押しします。