チケット券面に「アリーナ」の文字を見つけた瞬間、誰もが至近距離でのパフォーマンスを期待します。しかし、現場でファンの生の声に耳を傾けると、手放しの絶賛ばかりではない過酷な現実が浮き彫りになります。それがSNSやコミュニティで頻繁に議論されるヤンマースタジアム長居のアリーナ埋もれ問題の評判です。
アリーナ面は元々平坦な陸上トラックおよび芝生保護シート上にパイプ椅子を一律に並べるため、前後の段差(傾斜)が一切存在しません。AブロックやBブロックといった最前線エリアであれば、肉眼でアーティストの汗や表情、細かな指先の動きまで捉えられる圧倒的な神席となります。ところが、Cブロック以降、特に後方のE・Fブロックになると状況は一変します。前に座る観客の頭越しにしかステージが見えず、低身長の方や小柄な女性からは「前の人の背中で視界が遮られ、メインステージの中央が何十分も見えなかった」という切実な声が絶えません。
ここで鍵を握るのが、ヤンマースタジアム長居のステージ構成と視界の経緯です。近年の大型ドーム・スタジアムツアーでは、メインステージからアリーナ中央へ伸びる花道(センターステージ)や、アリーナ外周を移動するムービングステージ・フロート(トロッコ)の導入が標準化されつつあります。センターステージが設置された場合、中央付近のブロックは一転して至近距離の特等席へと化けます。一方で、外周花道のみのシンプルな構成やエンドステージ固定の場合、後方ブロックの観客は巨大モニターを見上げ続ける時間が増える傾向にあります。これがヤンマースタジアム長居のアリーナ座席の見え方における、天国と地獄の分かれ目と言えます。