甲武信ヶ岳を目指す登山道として双璧をなすのが、山梨県側の「西沢渓谷(徳ちゃん新道)ルート」と、長野県側の「毛木平(千曲川源流)ルート」です。ネット上では「百名山だから整備されて登りやすい」という楽観論と「奥秩父屈指の激登り」という警戒論が二極化していますが、客観的な数値データと実態を照らし合わせるとその差は歴然としています。
西沢渓谷側の旧道である「近丸新道」は、過去の台風や豪雨による崩落箇所が散見され、現在も道迷いや滑落の危険が指摘されています。そのため、山梨県警や地元の山岳遭難防止対策協議会は、尾根沿いに付けられた徳ちゃん新道の利用を強く推奨しています。徳ちゃん新道は甲武信小屋の先代オーナー・山中徳治氏が開削した安全性の高いルートですが、戸渡尾根合流点までの勾配は極めて険しく、序盤から容赦なく体力を削ってきます。