事件の発端となったのは、青葉被告が京都アニメーション主催の「京都アニメーション大賞」に応募した自作の長編・短編小説でした。審査の結果はいずれも落選でしたが、被告はこの事実を受け入れることができず、京アニ側が「自身のアイデアを盗用してヒット作を生み出した」という激しい被害妄想を募らせていきました。
公判で取り上げられた被告の主張によれば、アニメ『ツルネ ―風舞高校弓道部―』や『けいおん!』などの作中描写について、「学食で割引の肉を買うシーン」や「キャラクターの仕草」が自分の小説から盗まれたと思い込んでいたことが明らかになっています。しかし、客観的な検証の結果、これらの類似性は日常表現の範疇に過ぎず、盗作の事実は一切認められませんでした。
被告の歪んだ認識は、「京アニという組織だけでなく、業界全体や国家権力を含む“闇の人物”が裏で自分を監視し、アイデアを奪い続けている」という誇大妄想へと肥大化しました。自らの人生の行き詰まりやフラストレーションのすべてを京アニへと転嫁し、「相手に最も大きな打撃を与える」という復讐の念が、無差別の大量殺戮という最悪の凶行へと直結してしまったのです。