本作のもうひとつの核となったのが、容姿端麗な転校生・麻実麗を演じたGACKTさんとの共演です。撮影当時40代半ばだったGACKTさんが高校生役を演じるというインパクトに対し、二階堂ふみさんはまったく怯むことなく対峙しました。
物語の大きなターニングポイントとなる二人のキスシーンについて、現場では徹底的な演出プランが練られました。武内監督とGACKTさん、二階堂さんの綿密なディスカッションのもと、生々しい性愛ではなく、まるで中世ヨーロッパの絵画や少女漫画の1ページのような「浮世離れした美しさ」を追求。二階堂さんは百美の「恋に落ちて価値観が崩壊していく純粋な衝撃」を全身で体現し、観客を一気に作品のファンタジーへと引き込みました。
また、百美のビジュアルを支えたのが、人物デザイン監修を担当した柘植伊佐夫氏による衣装とメイクです。金髪の縦ロール、豪華な刺繍が施されたマント付きの制服、気品と冷酷さを同居させたアイメイクなど、二階堂さんの小柄な体躯を逆手に取ったジェンダーレスな美しさが緻密に計算されていました。
二階堂さん自身も「百美の衣装を着てメイクを施されると、自然と背筋が伸びて生徒会長としての高飛車なスイッチが入った」と語っており、外見の作り込みが圧巻の芝居を支える大きな原動力となりました。