通院にかかる費用を適正に申告するためには、何が認められ、何が排除されるのかという法的な境界線を整理しておく必要があります。交通手段ごとの取扱基準を把握しておくことで、余分な計算の手間を省き、税務署からの指摘を未然に防ぐことが可能です。
表から明らかな通り、通院交通費の医療費控除の範囲において、マイカーに関わる支出はすべて厳格に排除されています。一方で、タクシー代が医療費控除として認められるケースには一定の余地があります。突然の陣痛による産院への搬送、骨折や高熱による歩行困難、深夜の急病で電車やバスが運行していない時間帯など、客観的に見て他の交通手段が使えない緊急性が認められれば、人的役務の対価として控除対象に組み入れることが可能です。
ただし、単に「雨が降っていたから」「バスを待つのが億劫だったから」といった利便性目的の利用は否認されます。税務調査の対象となった際、当時の病状や医師からの指示があったことを論理的に説明できるよう、利用日時と病状の記録を残しておく姿勢が求められます。