歴史を遡れば、進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンもまた、くすぐり刺激と社会的コミュニケーションの関係性に深い関心を寄せていた。ダーウィンは、親子の絆を深めるための原始的な対人シグナルとして、この応答メカニズムを考察している。
そして現在、日本の理化学研究所をはじめとする最先端の研究機関や、日本神経科学学会の年次大会などでも、触覚伝達回路の解明に向けた発表が相次いでいる。自分自身で脚を触ってもくすぐったく感じない「予測制御」の脳内ループと、他者からの予期せぬアプローチに対する即応リアクション。これら神経ネットワークの解明は、単なる好奇心を超え、ロボティクスや触覚ディスプレイの開発にも大きなインパクトを与えている。