スイッチを入れた瞬間に部屋へ広がる不快な異臭について、多くのユーザーが「部屋の嫌な臭いを吸い込んだせい」と誤解しています。しかし、空気清浄機から酸っぱい臭いが発生する原因の約8割は、内部に蓄積した水分と皮脂・ホコリを栄養源とする微生物の代謝物質にあります。特に加湿一体型モデルの場合、給水タンクやトレイ内に滞留した水道水の残留塩素が抜けた後、わずか24〜48時間で雑菌のコロニーが形成され始めます。
水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムが結晶化した「炭酸カルシウム(白く固まるスケール)」の隙間に、大気中から吸い込まれた雑菌やカビ菌が入り込み、強固なバイオフィルム(菌膜)を構築します。この状態で送風ファンを回し続けると、空気清浄機の加湿フィルターに発生したカビの胞子と揮発性有機化合物が室内に高濃度で飛散し、アレルギー性鼻炎や咳喘息などの健康被害を誘発する引き金になりかねません。
また、悪臭を放置したまま運転を続けると、風路内部のプラスチック樹脂や送風ファンそのものに臭気成分が沈着し、後からフィルター類を丸ごと新品に取り替えても臭いが取れなくなる「樹脂への臭い移り」が発生します。異臭を感じた段階で即座に運転を停止し、発生源を物理的・化学的に分解洗浄することが不可欠です。