一度キャップを開けたボトルは、未開封品とは全く異なるタイムラインで品質が低下します。オリーブオイル開封後の日持ち期間は、冷暗所保管を徹底したとしても「1ヶ月から長くても2ヶ月」が安全圏とされています。
空気に触れた瞬間から酸素による自動酸化がスタートし、さらに調理中の水蒸気や光に晒されることで劣化速度は指数関数的に加速します。大容量ボトルをお得だからと購入し、数ヶ月かけて消費するスタイルは、後半には酸化した油を摂取し続けているリスクを孕んでいます。
変質した油を摂取することによって引き起こされるのが、オリーブオイル油酔い腹痛の危険性です。
油脂が酸化すると、一次生成物として「過酸化脂質(ヒドロペルオキシド)」が生じます。この過酸化脂質は消化管粘膜に対して強い毒性を持ち、胃腸に炎症を引き起こします。摂取後数時間以内に現れる主な症状は以下の通りです。
・激しい胃もたれ、胸焼け、胃痛
・吐き気や嘔吐、いわゆる「油酔い」症状
・下痢や腹痛、脱水症状
重大な科学的真実として強調すべきは、「劣化した油は加熱調理しても元には戻らず、毒性も消えない」という点です。「加熱すれば殺菌できて安全になる」と思い込んでいる人がいますが、酸化は微生物汚染ではなく化学変化であるため、熱を加えても過酸化脂質や有毒な分解生成物は消滅しません。むしろ再加熱によって更なる有毒物質(アクロレインなど)が揮発し、調理者自身の気分を悪くさせる油酔い現象を引き起こします。