「人気アーティストのライブなのに、なぜ定価以下で投げ売りされているのか?」と疑問に思う方も多いはずです。チケット 定価割れ なぜという問いの裏には、興行ビジネスの構造とユーザーの行動心理が複雑に絡み合っています。
第一の要因は、ファンクラブ先行における「重複当選」と「保険エントリー」です。近年のチケット争奪戦では、当選確率を上げるために家族や友人の名義を使って複数公演に申し込むファンが少なくありません。しかし、予想外にすべての名義で当選してしまった場合、自力で支払った数十万円のチケット代が重くのしかかります。「空席にするより、いくらかでも回収したい」という損切り心理(サンクコストの回収意図)が働き、公演日が迫るほど定価割れ出品が急増するのです。
第二の要因は、動員力と会場キャパシティのミスマッチです。興行主側がグッズ収益や話題性を狙ってアリーナやドームなどの大規模会場を押さえたものの、一般発売で完売に至らなかった場合、二次流通市場には需要を大幅に上回る供給が溢れます。その結果、市場原理によって価格崩壊が発生します。
第三の要因として見逃せないのが、「入場拒否リスクに対するディスカウント(リスクプレミアム)」です。買い手側も「名義が違うから入場できないかもしれない」というリスクを自覚しています。その不安を相殺するために、定価より30%〜50%安くなければ買わないという市場圧力が働き、結果として定価割れが常態化する構図が生まれています。