夜間の寝床や脱衣所、庭の草むしり中にムカデに遭遇し咬傷被害を受けた際、パニックにならず冷静に実行すべき手順を時系列で整理しました。刺された直後の15分間の対応が、その後の痛みの継続時間と腫れの広がりを大きく左右します。
ステップ1:速やかに安全を確保する
刺したムカデ(主に体長10〜15センチメートルに達するトビズムカデやアオズムカデ)は、興奮状態で周囲に潜んでいる可能性が高いです。素手で触れるのは絶対に避け、火バサミやスリッパ、殺虫剤を用いて距離を確保してください。死んだように見えても反射的に噛みつくことがあるため油断は禁物です。
ステップ2:毒素と付着細菌を流水と石鹸で洗い流す
ムカデの牙には無数の雑菌が付着しており、皮膚に開いた小さな咬傷から二次感染を起こす危険性があります。まずは常温の水道水と泡立てた石鹸で、皮膚表面の毒液と雑菌を優しく丁寧に洗い流してください。このとき、毒を吸い出そうと口をつける行為は、口腔内の粘膜から毒素を吸収するため絶対に禁止です。
ステップ3:43〜45℃のお湯で温熱療法を行う(最重要)
給湯器の温度設定を43〜45℃(少し熱めの風呂程度)に調整し、シャワーのお湯を患部に直接当て続けます。時間は10分から20分間が目安です。最初の数分間は熱さと痛みが混ざり合いますが、5分を過ぎたあたりから毒素の変性が進み、嘘のように痛みが和らいでいくのを実感できます。ただし、40℃未満のぬるま湯では毒が失活せず血流増加で痛みが増すため、必ず43℃以上の温度を保ち、火傷しない温度範囲を厳守してください。
ステップ4:清潔なタオルで擦らずに水分を拭き取る
温熱療法を終えたら、清潔なタオルで患部を擦らないよう、軽く押し当てて水分を拭き取ります。患部を強く揉んだり圧迫したりすると、皮下組織に毒素が浸透しやすくなるため安静を保ちます。
ステップ5:適切な外用薬を塗布して患部を保護する
皮膚の表面が乾いたら、直ちに抗炎症作用の高いステロイド軟膏、または抗ヒスタミン成分を配合した外用薬を患部に厚めに塗布します。ガーゼや通気性の良い絆創膏で保護し、掻きむしりを防止します。