ヤーコン(学名:Smallanthus sonchifolius)は、南米アンデス山脈が原産のキク科植物です。見た目はサツマイモそっくりですが、植物分類上はヒマワリやゴボウの仲間であり、塊根(かいこん)と呼ばれる肥大した根の部分を食用とします。
最大のミステリーとも言えるのが、その「味と食感覚のギャップ」です。加熱するとホクホクする一般的な芋類とは異なり、ヤーコンの水分含有量は約85%以上。薄くスライスして口に含むと、まるで採れたての和梨やりんごをかじったような、みずみずしい果汁と心地よい歯ごたえが弾けます。
この特異なみずみずしさと甘さの秘密は、主成分である「フラクトオリゴ糖」にあります。通常、芋類はエネルギーをデンプン(ブドウ糖が結合したもの)として蓄えますが、ヤーコンはデンプンを合成せず、フラクトオリゴ糖として蓄積する極めて珍しい性質を持っています。その含有率は可食部100g中におよそ8〜10gにも達し、野菜界では群を抜くトップクラスの数値を誇ります。これが「畑のオリゴ糖」と称賛される決定的な理由です。