経済面における両国の最大の違いは、「賃金格差の幅」と「教育・医療コストの構造」にあります。
最低賃金と平均給料の構造的ギャップ
オーストラリア連邦政府の公正労働委員会(Fair Work Commission)の改定データによると、豪州の全国最低賃金は時給24.10豪ドルに設定されています。さらに、有給休暇などの福利厚生がないカジュアル雇用の場合、25%の割増手当(カジュアル・ローディング)が加算され、時給はおよそ30豪ドル(約3,000円前後)に達します。カフェの店員や清掃スタッフであっても、週40時間働けば月給45万円前後の収入を得ることが法的に保障されています。
一方、アメリカ労働省の規定する連邦最低賃金は時給7.25米ドルのまま据え置かれており、カリフォルニア州やニューヨーク州などの大都市圏で時給16〜20米ドルへと引き上げられているものの、地域間格差が極めて激しいのが実情です。ただし、シリコンバレーのITエンジニアやウォール街の金融専門職では、20代後半で年収2,000万〜3,000万円を超えるケースが日常的であり、ハイエンド層の給与上限はアメリカがオーストラリアを圧倒しています。
大学学費と卒業までにかかるトータルコスト
オーストラリアとアメリカの大学費用比較では、履修期間の違いが総費用を大きく左右します。
- オーストラリアの大学:基本は3年制(医学や工学など一部専門職を除く)。年間学費は30,000〜45,000豪ドル程度で、3年間の総学費は約900万〜1,350万円。
- アメリカの大学:基本は4年制。州立大学の留学生学費で年間35,000〜45,000米ドル、私立名門大学(アイビーリーグ等)では年間60,000〜85,000米ドルに達し、4年間の総学費と生活費で2,500万〜4,000万円超えも珍しくありません。
学士号取得までの期間が1年短い点、さらに留学生でも合法的にアルバイトができる点において、経済的な参入障壁はオーストラリアの方が大幅に低く抑えられます。