「ぬか漬けは健康的だが塩分過多で高血圧を招く」「塩分でむくんで太る」という懸念は、ネット上の健康コミュニティでも頻繁に論争となるテーマです。しかし、この言説には重大な数値の読み違いがあります。
食品成分表に記載されている「食塩相当量約5g」という数値は、あくまで100g丸ごと(きゅうり丸ごと1本分)を一気に食べた場合の計算です。実際に1食で口にする量は、スライスされたきゅうり3〜4切れ程度(約20〜30g)。この場合の摂取食塩量は約0.8〜1.2g程度に収まります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」が定める成人1日あたりの食塩摂取目標量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満。高血圧予防では6.0g未満が推奨されています。ぬか漬けに豊富に含まれるカリウムには、腎臓でのナトリウム再吸収を抑制して尿中へ排泄させる拮抗作用があるため、精製塩をそのまま舐めるのとは体内動態が根本的に異なります。
塩分を賢くコントロールしながら最大の恩恵を得るための1日の適量目安は、小鉢に軽く1盛り(薄切り野菜で3〜5切れ、重量にして約30g前後)です。これ以上の量を日常的にバクバクと食べ続ければ塩分過多に直結しますが、適量を守りさえすればむくみや血圧上昇を恐れる必要は全くありません。