2010年代半ば、お茶の間のテレビ画面を席巻した宇梶剛士CMは、それまで「苦しい」「続かない」が当たり前だった腹筋運動の概念を根底から覆しました。ショップジャパンを運営する株式会社オークローンマーケティングの公式発表資料や当時の業界データによると、シリーズ累計販売台数は数百万台を突破。深夜インフォマーシャルから火がつき、大手家電量販店やホームセンターの店頭から在庫が消える異常事態へと発展しました。
当時のインパクトについて、長年フィットネス業界を取材するスポーツジャーナリストは次のように振り返ります。「剛健な体格を誇る宇梶氏が、コミカルに起き上がるギャップと『倒れるだけ』という究極の簡便性が、運動不足に悩む中高年層の心理的ハードルを完全に破壊した」。
一大ブームから年月が経過したワンダーコア現在の立ち位置はどう変化したのでしょうか。巨大なフレームを持つ初代モデルはリビングのスペースを占有することから、やがてフリマアプリやリサイクルショップへと大量に流出し、「一世を風靡したオブジェ」として揶揄される局面もありました。しかし、家庭用フィットネスの選択肢が多様化した2026年においても、後継のコンパクト型「ワンダーコアスマート」を含め、メルカリやヤフオクなどの二次流通市場で年間を通じて活発な取引が継続しています。単なる一過性の流行にとどまらず、基礎的な運動補助器具として一定のポジションを確立しています。