新興王者が脚光を浴びる一方で、滋賀の高校サッカーを全国区に押し上げた立役者たちも決して沈黙しているわけではありません。サッカーファンの記憶に深く刻まれているのが、2005年度の第84回全国高校サッカー選手権で全国制覇を成し遂げた野洲高校です。乾貴士選手らを擁し、「走らない美学」「ペナルティエリア内でも遊べ」と称されたクリエイティブなパスサッカーは、日本中の指導者にパラダイムシフトをもたらしました。
野洲高校サッカー部の現在を追うと、県立高校ゆえの推薦枠の制限や他校の設備強化の波に押され、全国大会の舞台から遠ざかる苦闘が続いています。しかし、その根底にある「観客を魅了する技術重視のフットボール哲学」は現在も色褪せていません。高円宮杯滋賀県リーグでの上位定着と選手権予選での返り咲きを目指し、足元の技術とイマジネーションを重視した独自の育成を愚直に継続しています。OBや関係者の間でも「もう一度、野洲の魅せるサッカーで全国を驚かせてほしい」というエールは絶えません。
一方、滋賀の公立の雄として長年君臨するのが草津東高校サッカー部です。第79回選手権での全国準優勝をはじめ、滋賀県高校サッカー歴代優勝校のリストにおいて最多級の栄冠を誇る名門です。草津東の真骨頂は、規律ある組織的なハイプレスと電光石火の堅守速攻。文武両道を掲げる進学校でありながら、伝統に裏打ちされた勝負強さと走力は県内屈指です。近江の台頭以降、インターハイ予選や選手権予選の決勝で幾度となく激突し、互角の死闘を演じています。「私学の物量作戦には絶対に屈しない」という草津東の矜持が、滋賀県高校サッカー2026年最新の緊張感あるライバル関係を強固に支えています。