ネット上の情報には一部誤解を招くノウハウも散見されるため、実践にあたっては冷静な注意が必要です。
最大の盲点は「ループ側(メス面)は熱処理では復活しない」という点です。アイロンやドライヤーが有効なのは、熱可塑性樹脂で作られた硬い「フック面」のみです。柔らかいループ面は、細い化学繊維が編み込まれた構造であるため、アイロンを直接当てると繊維が熱で縮れて平らにつぶれ、二度とフックが引っかからなくなってしまいます。
また、「ライターの火で炙ると一瞬で直る」という裏ワザも出回っていますが、家庭での実践は極めて危険です。ナイロン繊維は引火しやすく、一瞬で黒焦げになって有毒な煙を出すリスクがあるため、絶対に避けてください。
さらに、洗濯機での洗い方にも盲点があります。面ファスナーが付いた衣類を「開いたまま」洗濯機に入れると、他の衣類の糸くずを大量に巻き込むだけでなく、相手側の生地を傷める主原因になります。洗濯時は必ずマジックテープ同士をぴったり貼り合わせた状態でネットに入れる習慣をつけることが、粘着力を数倍長持ちさせる最大の防御策です。