ネット上の情報やSNSでしばしば議論を呼ぶのが、「もしもし」や「お疲れ様です」の運用ルールです。ここには古くからの慣習と現代マナーの衝突が存在します。
まず、電話応対の定番とされるもしもし電話挨拶ですが、これは「申します、申します」という言葉が略されたものです。かつて電話の接続が不安定だった時代、相手にこちらの声が届いているか確認するために定着しました。しかし、省略表現であることから、ビジネスシーンで目上の人や顧客に対して使うのはマナー違反と見なされます。ビジネス電話では「はい、〇〇(社名)の△△でございます」や「お電話ありがとうございます」が正しいHelloの代替表現です。
さらに深刻なのが、お疲れ様です使い分けにおける「ご苦労様です」との混同です。歴史的に「ご苦労様」は目上の者が目下の労をねぎらう言葉(上位から下位への言葉)として定着したため、部下から上司、あるいは顧客に対して使うと著しい失礼にあたります。上下関係を問わず広く使える「お疲れ様です」と明確に区別して運用することが鉄則です。