「昔のように日没までひたすらノックを受ける時代は完全に終わりました」。そう語るのは、今夏の地区大会で私立の強豪校を打ち破った県立校の監督だ。かつては練習量の差がそのまま戦力差に直結していたが、現在の公立校では「短時間集中型」の徹底した効率化が主流となっている。
平日の練習時間は長くても2時間程度。その限られた枠組みの中で、選手たちは1分単位で計算された高度なメニューを消化する。グラウンド上での無駄な待ち時間を削ぎ落とし、バッティングや守備の回転率を限界まで引き上げることで、練習の「密度」においては私立校以上の負荷を身体に与えることが可能になった。制約を逆手に取った集中力の徹底こそが、資源の少ない公立校の生存戦略なのだ。