札幌南高校を語る上で欠かせないのが、制服が存在しない「自由私服」の文化と、生徒の主体性にすべてを委ねる自由な校風です。校則による細かな持ち物検査や髪型指定などは一切なく、生徒一人ひとりが自己の判断で日々の生活をコーディネートしています。
卒業生の手記や在校生へのヒアリング、ネット上の口コミ検証からは、この自由に対する誇りと同時に、独特の緊張感が伝わってきます。
「自由」とは「自己責任」の同義語であるというリアル
在校生や卒業生が口を揃えるのは、「南高の自由は、何もしなくてもいい自由ではない」という点です。ある卒業生の手記には次のような実感が記されています。
「先生から『勉強しなさい』と強制されることは皆無でした。宿題の提出で厳しく怒られることもない。しかし、模試の結果や授業の理解度で現実を突きつけられたとき、すべては自分の責任だと痛感する。それが南高の自由の重さです」
学校祭である「六華祭(りっかさい)」をはじめとする年間行事も、企画から予算管理、当日の運営までが生徒自治組織の手によってゼロから構築されます。大人から指示されて動くのではなく、自ら課題を発見して仲間と議論を重ねながら形にしていくプロセスが、生徒たちの精神的な成熟を急速に促しているのです。
伝統を支える同窓会組織「六華同窓会」と多才な出身有名人
札幌南高校のバックボーンとして強力な存在感を放っているのが、「六華同窓会(りっかどうそうかい)」と呼ばれる同窓会ネットワークです。明治期の前身校設立以来、100年を超える歴史の中で政財界、法曹界、学術・医療分野、文化・芸術界に至るまで、日本国内外で活躍する膨大なリーダー層を輩出してきました。
出身有名人を見ても、ノーベル化学賞候補にも挙げられた世界的な研究者や医師、中央省庁の官僚、著名な作家、映画監督、大手上場企業の経営者、さらには宇宙開発に関わるエンジニアまで、多種多様な領域でパイオニアとして道を切り拓いている卒業生が目立ちます。こうした先輩たちの存在が、在校生に対して「自分の限界を決めずに世界へ羽ばたく」という大きな視座を与える契機となっています。