映画界で絶大な人気を誇りながらも、緑魔子の情熱は1960年代後半から勃興したアングラ演劇運動へと傾倒していきます。唐十郎が率いる「状況劇場」や寺山修司の「天井桟敷」といった前衛劇団の舞台に立ち、既成概念を壊すアングラカルチャーの絶対的ミューズとして観客を魅了しました。
1976年には、石橋蓮司とともに自主劇団「劇団第七病棟」を旗揚げします。唐十郎書き下ろしの戯曲『ビニールの城』をはじめ、別役実や佐藤信らの実験的かつ文学性の高い舞台を次々と上演。テント興行や小劇場での生々しい熱量の中、緑魔子の発するセリフと妖艶な身体性は、日本の演劇史に燦然と輝く伝説として語り継がれています。