結論から明言すると、小泉進次郎氏が「すべての国民の年金受給開始年齢を80歳に引き上げるべきだ」と主張した事実は一切ありません。この言説は、典型的な情報の曲解と切り取りによるデマです。
では、なぜこれほどまでに「小泉進次郎 80歳年金」というキーワードが一人歩きし、激しい炎上を引き起こしたのでしょうか。その経緯は、小泉氏が自民党の厚生労働部会長を務めていた時期の政策提言に端を発します。当時、小泉氏は「人生100年時代」に向けた社会保障改革の議論の中で、公的年金の繰り下げ受給の上限年齢を柔軟化する構想を掲げました。
具体的には、「60歳から70歳(当時)の間で選べる受給開始時期の選択肢を広げ、本人が希望すれば75歳や80歳まで受給を遅らせることで、毎月の受給額を大幅に増やせる仕組みにしてはどうか」という趣旨の提案でした。しかし、この「受給開始時期を選べる上限の引き上げ」という文脈が、SNS上で「年金の一律支給開始年齢が80歳に引き上げられる」と誤って要約・拡散され、瞬く間に国民的な反発を招く結果となってしまったのです。