なぜアブの攻撃はこれほどまでに痛むのでしょうか。蚊が細い針を皮膚の隙間にそっと刺し込んで麻酔成分を注入するのに対し、アブはハサミのような口器で皮膚を直接切り裂き、溢れ出た血液を舐め取るように吸血します。この物理的な損傷こそが、噛まれた瞬間に走る強烈な痛みの正体です。
さらに厄介なのは、アブの唾液に含まれる抗凝血成分や多様なタンパク質物質です。人間の免疫システムがこれらの成分に強く反応することで、強いアレルギー反応が誘発されます。数時間から翌日にかけて噛まれた部位が2倍以上に大きく跳ね上がり、固く硬結した状態が数週間も続くケースは後を絶ちません。我慢して放置することは、症状を悪化させる最大の要因です。