誰かの手を借りずに自分自身で的確な固定を施すための、実戦的なテーピング技術を解説します。親指には指先側のIP関節(指節間関節)と、付け根側のMP関節(中手指節関節)が存在し、痛む部位に応じて適切なアプローチを選択しなければ固定の意味をなしません。
テープの種類は、競技中や強い保護が必要な場合の「非伸縮性ホワイトテープ(19mm〜25mm幅)」と、日常生活での軽度サポートや筋緊張緩和を目的とした「キネシオロジーテープ(25mm〜38mm幅)」を用途に応じて使い分けます。
1. ホワイトテープによるMP関節・IP関節の強固な固定法
ホワイトテープによる関節固定は、親指が外側や後方へ過度に反り返るのを防ぐ「フィギュアエイト(8の字)」構造を基本とします。1人でできる簡単な固定方法の手順は以下の通りです。
【ステップ1:アンカーの設置】
手首の関節部分に、ホワイトテープを緩めに1〜2周巻いて土台(アンカー)を作ります。血流を止めないよう、締め付けすぎないことが鉄則です。
【ステップ2:親指から手首へのサポートテープ】
手首のアンカー(手の甲側)からスタートし、親指の付け根(MP関節)の外側を通って親指の腹側を巻き、再び手首のアンカー(手のひら側)へとテープを引っ張りながら貼り付けます。これにより親指が外側に開く動きをロックします。
【ステップ3:クロスによる補強(フィギュアエイト)】
ステップ2と交差するように、手首の手のひら側から親指の付け根を通り、手の甲側へ戻るテープを1本交差させて貼ります。IP関節まで痛む場合は、親指の第一関節を挟み込むように細めのテープでX字を描いて補強します。
【ステップ4:エンドテープで固定】
最後に、手首のアンカーの上に再びテープを1周巻いてテープの端が剥がれないよう密着させます。
2. キネシオロジーテープの貼り方(日常動作サポート・軽度用)
キネシオロジーテープの貼り方では、テープを無理に引っ張らず、皮膚の伸縮性に馴染ませるのが最大のポイントです。親指の爪の生え際から手首の親指側に向かって、テンションを約20〜30%程度に留めながら貼ることで、皮膚を持ち上げて皮下のリンパ流を促し、内出血と痛みを緩和させます。