テクノロジーの導入が進む一方で、人間による監視網も姿を変えて強化されています。大手警備会社への取材によると、私服保安員、いわゆる万引きGメン配置状況は、売り場巡回から「セルフレジエリアの定点監視」へとシフトしています。セルフレジ周辺に不自然に長居し、買い物客の手元を遠巻きに凝視するGメンの配置が増加しており、AIによる検知通知を受けたGメンが店外出口で待ち受けるという、人とデジタルの連携プレーが確立されています。
しかし、現場で働く店員たちの精神的負担は限界に達しています。都内大手スーパーに勤務する50代のアテンダントスタッフは、苦しい胸の内を次のように明かします。
「セルフレジ6台を1人で見守るのが基本シフトですが、機械トラブルの対応中に別の台で未精算のまま立ち去られることが日常茶飯事です。お声がけをすると『泥棒扱いするのか』と激昂されるお客様も多く、精神的プレッシャーで離職するパート仲間が後を絶ちません」
こうした現場の疲弊と万引き被害の増大は、一部の店舗におけるセルフレジ撤退理由の直撃要因となっています。完全セルフレジを取りやめ、店員が商品をスキャンして支払機のみを利用者が操作する「セミセルフレジ」へ戻す店舗や、混雑時間帯のみ有人レジへ切り替える運用を採用するスーパーが再び増えています。