『ソードアート・オンライン アリシゼーション』のキャスト発表時、アリス役に茅野愛衣の名前が挙がった瞬間、SNS上では「完璧な人選」「もう彼女以外考えられない」といった声が瞬く間に広がった。では、なぜここまでファンの期待値が高かったのか。その理由は、茅野の過去の演技歴に隠されている。
茅野愛衣は、これまでも「強い意志を持ちながらも内面に葛藤を抱える少女」を演じることに定評があった。たとえば『あの花』のめんまは、幼さの中にどこか諦めにも似た大人びた感情を秘めていた。『ノーゲーム・ノーライフ』の白は、極度の対人恐怖症でありながら、ゲームにおいては絶対的な強さを発揮する。こうした「二面性」を持つキャラクターを、茅野は繊細な声質と感情表現で見事に演じ分けてきた。
アリス・ツーベルクもまた、まさに二面性の塊だ。子供時代の無邪気なアリス、整合騎士としての冷徹なアリス、そしてキリトと出会ってからの揺れ動くアリス。これらを一人で演じきるには、幅広い表現力と深い感情理解が不可欠である。制作サイドが茅野を選んだのは、彼女のそうした実績と信頼があったからに他ならない。実際、アニメ雑誌のインタビューで茅野は「アリスは私にとって特別な役。彼女の誇りと弱さ、その両方を大切に演じたい」と語っており、その言葉通り、放送後は多くの評論家やファンから「シリーズ最高の演技」と絶賛された。