旅行者が抱く最大の疑問の一つが、「いわゆる松島(松島町周辺)と奥松島(東松島市周辺)では具体的に何が違うのか」という点です。地理的には同じ松島湾に面しているものの、地形の成り立ち、景観のダイナミズム、そして観光の過ごし方には決定的な差異が存在します。
松島海岸駅周辺を中心とする「表松島」は、瑞巌寺や五大堂といった伊達文化の歴史遺産が集積し、大型遊覧船やお土産物店が立ち並ぶクラシカルな観光地です。波が穏やかな内湾に浮かぶ松の島々を眺める優美な景観が特徴と言えます。一方、宮戸島を中心とする「奥松島」は、外洋(太平洋)の荒波に直接削られた鋭利な岩肌と白亜の断崖が連なる男性的な景観が主役です。
一般社団法人東松島市観光物産協会の発信情報や現地データを確認すると、松島から車でわずか20分ほど移動するだけで、観光地の趣が一変することがわかります。「松島には行ったことがあるけれど、奥松島は未踏だった」というリピーターほど、その手つかずの迫力に強い衝撃を受ける傾向が見受けられます。